見を持っているからです。私はたいへんよろこび、勇気づけられ、なるべく深く読みこもうと努力しました。すると、あなたの反対論と私などの反対論とのあいだに、根本的に違うところがあるらしいという気がしてきたのです。
私自身の平和論や再軍備反対の意見はこれまでほうぼうに書きましたから、ここにくどくどしくは書きませんが、それは私の抱いている主義や学識などから生まれてきたものではなく、もっと本能的でそして常識的なものです。要約しますと、私はどんな名や理由のもとにだれによって行われる戦争にも反対であり、いつだれがだれにむかってするどのような種類と程度の軍備にも反対です。ところが、あなたのは、それとは少し違うような気がします。そうです。「気が」するという程度で、ハッキリどこがどう違うか私にはわからないし、言えない。しかしそれにもかかわらず私にとっては、これはどうでもよいことではありません。
私にそういう気がするのは、たぶん、つぎの二つの理由のためらしいのです。第一は、あなたの反戦論と再軍備反対論が、あなたの反米論と表裏一体をなして展開されているため。第二は、前記のようにあなたがマルクシストまたは、マ
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