。静かである。右奥遠くで微かに人々の罵り騒ぐ声々。稲の中から立ち上る滝三)
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滝三 (右奥遠くを眺めながら)……お父う、何だか変だ。……(誰も返事をしないので)お父う、んじゃ、鎮守さんへ行くのか?
仙太 (声だけ)うむ、そうしべえ。
滝三 普門院へも皆で行ぐのか?
仙太の声 あれは、俺一人でもよかろうて。(水の音)
段六の声 滝、あによ突立っているや? (いわれて滝三もしゃがみ込む。三人の泥掻きの水音。静かだ。――永い間。
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段六が手を動かしながら、ヒョイと唄い出す田植唄。ドーマ声。自分では唄の積りなのだが、抑揚があまりないので、トボケて聞える。『はあああ……腰のう、痛さあよう、……五反田のう、長さあああ……』突然右奥遠くで何かが爆発する、えらい響。バーン、バーン、バリバリときこえる)
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滝三 おおっ! (思わず立つ。段六も仙太郎も手を動かすのを止めたらしい。やがて二人とも立ち上る)
段六 こら、仙太公! 俺の前に掻いている奴が、いきなりへ[#「へ」に傍点]をひ[#「ひ」に傍点]るとは、こん野郎!
仙太 ……うん、ア
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