鹿野郎。
段六 あんだとう?
仙太 あべこべだ。黙っていれば損をすっからタテえ突くだ。地主と小作人が仲好くすっことあ未来永劫ありはしねえとよ!
段六 よく聞こえねえ。そいったもんだろかい。アハハハハ、さ、やろうか。
仙太 やろかな。(三人田へ入りかける)
段六 (仙太郎の肩を笑ってこづきながら)仙太公、いまあ、えら、いばったぞう! 久しぶりに、筑波以来の斬られの仙太だべえ。うふん、こら、お妙さに見せたかったてえ!
仙太 (これも笑いながら段六の肩をこづく)あによして! 鍬を握って構えたなあ、誰だっけかよ? 真壁段六公、耳は遠くなっても、腕に年は取らせねえてね!
段六 アハハハハ、何をいうだい、阿呆め! (二人は互いに肩をこづきながら稲田に入り、笑いながら仕事にかかる。)
滝三 お父う、だども、普門院の方が、あんだか騒々しいが、あれで全体――。
仙太 ええて。放っとけ。立っていねえで、黙って仕事だ、仕事だ。(滝三も右奥を気にしいしい田に入る)
段六 滝、お咲坊のことが心配かの?
滝三 あによいうだい、伯父さ! こん野郎!
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(三人笑いながらかがみ込んで泥掻き。……間
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