だ!
[#ここから3字下げ]
(いわれて気は立っているし、党員の一人は抜刀を振りかぶりかけるが、他の者がそれを押しとどめる。三人少し鼻白む)
[#ここで字下げ終わり]
自一 いかん! さ、行こう!
自三 相手になるな、気ちがいだ! (それで五人はコソコソ走り出す。稲田に踏み込むのはよして、路上右手の方へ走り去る。)
段六 阿呆が! (鍬を振る)
[#ここから3字下げ]
(すると再び揚幕から、これを追って走りでてくる角袖が七人。それにつづいて、手甲脚絆で物々しい格好をした大地主の平松の当主と、その従者二人。都合十人。この方は互いに一言もいわずに、本舞台へ殺到する)
[#ここで字下げ終わり]
平松 (右手を指して)そっちだ! そっちだ!
[#ここから3字下げ]
(その声につれて同勢は一言も発せずにバラバラッと右奥へ向って、稲田の中に飛込んで行こうとする)
[#ここで字下げ終わり]
仙太 やい、待てっ! (と、段六の持っていた鍬を取って下げていたのを振って、一番手近の……向うずねをカッパらう)
角一 な、な、何を……するかっ!
仙太 なぜ田の中に入るんだ、道があらあ、道を歩け、どめくらめ!
前へ
次へ
全260ページ中255ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
三好 十郎 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング