ようく、村一統のためを思うて考えてくんろて、仙太郎さ!
仙太 んでは、放っとけばええ。
甲 弱ったなあ、どう言えばわかるんかのう。先方では、まずこういうだよ。自分等はもともとお前等貧乏な人民のためを思って立ったのじゃ、第一に近頃益々ひどくなりよった税金のことば考えて見ろ、政府では何だかだと理屈をつけるが、つまりが自分等の権力ば増すために使おうというのじゃ、そいから、いまのような選挙法では下々《しもじも》の意見はどこにはけ[#「はけ」に傍点]口があるか? 怪しからんのは、徴兵法も、保安条例も、一切合財じゃ、これを貴様達になり代って改正してやろうというんじゃから、そこを考えて見ろ、とこうじゃ。言われて見れば、此方は何が何やらよく理屈はわからんし、とんかく、弱ったて!
仙太 俺にも、ほかに智恵はねえて!
乙 そ、そんなこといわねえで、この通り村一統になり代って頼むからよ、仙太さ!
甲 全くだ。お前に、どうしても出て貰わねえと、どうにもはあ――。仙太郎さあよ!
仙太 よし、じゃ、俺、ここん泥掻きばすましてから、普門院さ行くべ。
甲 ありがてえ! じゃ、ま、そうして――。
仙太 そん代りに、その
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