茶だぞう。(おおと返事をする声)
お咲 (声を張上げて)段六の伯父さあん、お茶でがんす! 段六の伯父さん! お茶でがんす! (稲田の中からまず滝三が立上り、お咲を見てニコニコする。つぎに仙太郎、つぎに段六が立ち上る)
仙太 おおご苦労だ。(言いながら手でも洗うのであろう、左手へ田をあがって姿を消す)
段六 (呆けた顔をして滝三とお咲の顔を見くらべて)滝三、咲坊の顔そんねえに見ているとそらそら、よだれが垂れら! アハハハ、だらしがねえと言うたら、こら!
滝三 何よう言うでえ! 泥ぶっかけるぞ!
段六 んでもさ、よだれが垂れてら、のう咲坊!
お咲 伯父さ、そんねえなこというと、芋やんねぞ!
段六 あんだと? アハハ、咲坊だって赤くなっとら。
お妙 段六さん、つまらんこというてねえで、早う手ば洗うて来さっしょ!
段六 へい、へい、(笑いながら左手へ。滝三も同様)
お妙 ここは木蔭がねえで、いつも難儀じゃ。んでもいい加減に少し雲が出て蔭が出来たて。
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(お妙とお咲は道端の草場に持って来た物を拡げて仕度をする)
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お咲 段六伯父さたら、いつもあれだ、
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