々々しい姿。お妙はふかし芋の入ったザルを抱え、お咲は茶椀の包みと大ヤカンを提げている。お妙は年こそかなり取っているが、まだ大変綺麗である。お咲は昔よく泣いた子で、これも年頃で可憐な顔立ち。スタスタと本舞台へ)
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お咲 (後を振返りつつ)おっかさん、先程行き合うた人達は、もしかすっと――?
お妙 そうかも知んね。
お咲 んじゃ虎雄さんなんどもあれの仲間になってるかな?
お妙 んかも知れないね。正造は、これからの世の中は金が第一じゃといって横浜へ貿易屋とかの下働きに行ってしまうし、兼八は弁護士たらになるというていま東京で巡羅になっているそうな。虎雄は虎雄であの性分だ。うちに残っているのはお前と滝と源太郎だけ。私はいつまで立っても苦労の肩は抜けやしない。
お咲 ……源太さは畑でしょう?
お妙 そうだべよ。……しかしこんなこと、おとっつあんの前では、言いっこなしだぞえ。おお暑い。
お咲 だから、おっかさんはうちで休んでいて、私一人でいいとあんなにいうたものを。
お妙 ああによ、私一人が休んでいては、すまねえ。ああ、お稲がもうこんなだ! (稲田へ向って)あい、お前さん、お
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