どはこれまで抜群の……。
水木 くどいぞ、加多! 拙者だとてそれは知っている。しかし事ここに至っている。自分が助かろうというのではない。少くとも武田先生、藤田氏以下将来有為の先輩だけは生き延びさせなければならん! でなければ永戸の勤王派の根が絶えるのだ。士分以外の者が加担していたとあっては、その望みも十が十なくなる。まだ何かいうか! もういうな、加多! 第一、あれらを斬ることについては、武田先生、藤田先生、その他も絶対に反対して、ともこうも死生を一緒にしようという説だ。捨ておけば全部が全部フイになるだけの話。(間)
加多 ……宍戸侯は水戸城において御自害、榊原先生以下数十人は斬に処せられる。死罪、禁錮百余人。……途中聞きました。一橋公からの御沙汰はまだ来ませんか?
水木 来ない。……だろうと思う。すでに征討総督の勅を得られて、水戸、会津、桑名、筑前、小田原、大溝等諸藩の京詰の兵をひきい、大津まで来ていられるということだ。迫っている。
加多 で、……当方よりの陳情書の一部でも聴きとどけられると思いますか? ならびに、いまの諸先輩の助命のこと?
水木 わからぬ。駄目かも知れぬ。慶喜公ご自身
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