下の者などもう二日間、雪以外の物を咽喉に通していない。たとえ生芋でも一人では食えません。そちらで食べて下さい。
水木 またいう。それでは身体がもたんぞ。
加多 全身が妙にカッカと熱を持って食気《しょくき》がないのです。
水木 そうか。……いや、明日あたり新保《しんぽ》辺から医者が来よう。だが……(ムシャムシャやりながら、右手奥の方をすかして見る)どうしたのか、馬鹿におそい。たしかに伝えたのか?
加多 それは。伝えた筈。
水木 弾きずを負っているそうなが、腕は立つそうだな?
加多 ……さよう。
水木 おお、あれがそうらしい。(と右奥下方を眺める。やがて、抜刀に素振りをくれる。その間もガツガツと芋はかんでいる)
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(間)
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加多 ……どうしても、斬らねばいけませんか?
水木 また、それをいうのか?
加多 いまさらになって余りにムゴイ気がするからです。……余人は知らず拙者などは士分以外の者もズッと同等の同志として来た。……また、あれらも、それだけのことはして来たのです。三、四日来、方々で斬ったのが二十数人あるそうなが、拙者はたまらない。特にあれな
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