の立場が昨年長州その他離反以来、相当困難をきわめているということもある。当方の志の存するところはわかられても……。
加多 それならば尚更でありませんか?
水木 あれらを斬ることか?
加多 さよう!
水木 だからいっているのではないか! まさかとなって当方のために口を利いて下さろうという段になっても、士分以外までも多数参加した、つまり暴徒暴動ということになれば、弁疏の余地はなくなるのだ?
加多 事実、そのような暴動であれば、それも仕方がないではありませんか? 事実を曲げてまで三、四の命を……。
水木 もう言うなっ。(下の方を見て)おお、来た! いやならば止せと、初めからいっている。尊公には永いなじみの者だから、と初手からいってあるのではないか!
加多 そうだ。わかっている。永いなじみの者だから、どうせ誰かにやられるものならば、いっそ拙者の手でと思った。……いまでもそう思っている。ここへも拙者一人でよいと言ったではありませんか!
水木 フン、逃がすつもりであろう?
加多 逃がす? ……(間)さよう……。
水木 ならば、一人でやってみるか? どうだ? 来た! シッ! (二人黙る――)
[#こ
前へ
次へ
全260ページ中214ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
三好 十郎 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング