根こそぎぶっつぶそうというコンタンからだ。
加多 ……甚伍、拙者が抜こうとしたのは悪かった。
甚伍 よし。それで加多さん、お前さん知っているかね、幕府では湊の方へ軍艦を廻しましたぜ。もっとも出発のときの理由は、水戸城に籠城したお為《ため》派鎮圧のためということになっている。が、実は――。
加多 フーム、そうか。
甚伍 戦争は戦争で。みすみす勝ち目のねえ駒を差すてえ法はねえ。行っちゃいけねえよ、加多さん!
加多 いや、行く! 行かねばならん!
甚伍 意地か? つまらねえ。そんな小さな意地で、元も子もなくなれば、あとはどうなるんだ? 生かしておけば国の礎ずえにもなろうという立派な人物や若者を何千何百と殺して、それでよいのか?
加多 あとのことを考えるから、われわれは死なねばならんのだ。生きていて、ことを果す者もいる、死んで生きていた以上のことを果す者もいるのだ! 肥料になる者は、死んで腐らねば、その上に生える草木の肥料にはならん。考えてみろ。われわれは、その肥料だ。死んでよいのだ。肥料で悪ければ種《たね》だ。種は種としては死んでしまわねば、それから新しい芽は生えて来ぬ。新しい芽のために死ぬ
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