のだ。時世御一新のための鬼になって、以て瞑そうというのだ。田丸、藤田その他の諸先輩はどう考えていられるか拙者知らぬ。知る必要も無い。ただ拙者はそう思っているのだ。
甚伍 ……どうあっても行くのか?
加多 拙者一人が行くだけでない。本隊はすでに宍戸あたりまで行ったろう。拙者は、一緒にそういうお前も、この仙太郎も連れて行こうと思っているのだ。来い!
甚伍 それじゃ……。
加多 もういうな! 甚伍、キザをいうと笑おうてくれるなよ。蒼空皇天のもと、九尺の腸を擲って一個の烽火となろうというのだ。
甚伍 ……………。
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(いきなり、幕軍の砲弾が、この家の奥の間あたりの屋根に命中して、それを打抜いたらしく、物凄い轟音とともに家全体がグラグラッと揺れる。バリバリッと屋根のこわれる響き。奥の間へ通じる口から、バッと吹き出してくる黒煙と、砂煙。この音と煙は幕切れのときまでつづく。
三人同時にオウ! と叫ぶが、誰も動こうとせぬ)
(奥から煙と共に転げ出てくるお妙)
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お妙 アッ! 仙さん! 仙太郎さん! お蔦さんが! お蔦さん、梁に打たれて! 仙太さん、早く、早
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