ります。そのうちにお江戸にたずねて行くかも知れませんから、どうぞお世話して下さいな。
お蔦 まあ、それで! いけません。第一、何か芸が出来ますかえ?
お妙 あい、お琴を少し習いました。それから仕舞いを少しばかり。
お蔦 琴と仕舞ですって! ホホホ、駄目々々。全体、芸者になろうなどと、悪い了見。金がなければ仙さんに相談なさい。仙さんにいつまでもここにいてお貰いなさい。仙さんは……。(フィと奥の間に去る)
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(取残されたお妙は炉端に坐ったまま、ジッと前を見詰めたまま考えている。――永い間――遥か遠くにかすかな銃声と、さらに遠雷のように響く砲声一、二。……)
(戸口からフラリと入ってくる仙太郎)
[#ここで字下げ終わり]
仙太 ……おお戻っていたのか、お妙さん。……どうしなすった? 顔色が悪い。
お妙 仙太郎さん、その寄場の人達というのはどうなさったのすえ?
仙太 あんたも知っているのか。……ことわった。しかし、……帰ろうとは、どうしてもしねえ。
お妙 ……では、あなたは筑波勢の方へ行くのは、すっかりやめてしまったのかえ?
仙太 ……。(あがりもしないで土間に突立ってい
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