る)
お妙 ……もともと、仙太さんが、どんな気で江戸から筑波へは行かずにここへノコノコおいでだか、それが私にはわからないのす。……。
仙太 ……(何度もいいよどんだ末)それをいうのか。……それは、段六や、あんたに会いたかったから。
お妙 それは、私だとて……。
仙太 え?
お妙 しかし、しかし、いまはそんな時でないのす。
[#ここから3字下げ]
(短い間)
[#ここで字下げ終わり]
仙太 (依然としてお妙からはズッと離れた土間に立ったまま極く無表情な姿のまま)……お妙さん、お前俺の女房になってくれるか?
お妙 ……(のどが詰る)……あい、それは……。
仙太 待った、返事を聞く前に耳に入れとくことがある。……俺あこの手でだいぶ人を斬った。実の兄き、滝坊の父親、そのほか一々言うと……。
お妙 知っております。段六さんに聞きました。
仙太 それから、江戸で、お前さんのお父さんまでも、……斬ってるかも知れねえ。殺したかも……。
お妙 知っております。
仙太 知っているんだと?
お妙 お蔦さんの話で。ハッキリと話してはくださりませなんだけど。……仕方がありませぬ。
仙太 仕方がない?
お妙 ……
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