分が初手にこうと思った正直な心持を大切にしなくてはなりません」に傍点]。女には生涯は一度しかありませんよ。ああの、こうのとそれをひねくったり、こじらせたりすれば、後で罰があたります。仙さんにしたって……(言いよどんで黙ってしまう)さあ出来ました。
お妙 ……(泣けてくる)……すみません。
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(間)
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お蔦 ……(つとめて笑おうとしながら)さあ、奥へ行きましょう。蒲団を敷いて来ますからね。……私は、明日あたり江戸へ立とうと思っています。
お妙 ……まあ、どうして?
お蔦 どうして? フフッ、(お妙の顎を掴んで頬ずりのようなことをしてからツイと奥の方へ歩き出しながら)ホ、ホ、御朱引き外も外すぎる、こんな田舎で芸者もできないじゃありませんか。
お妙 あのう、お蔦さん、よっぽど前からおたずねしようと思っていました、……芸者になればお金がたんと取れますかえ?
お蔦 お金? どうしてまたそんな?
お妙 ……私になれたら、なろうと存じます。いえ、……もう内にはお金がまるでないのです。拵えるあてもありません。あれだけの子供達がもうじき食べ物も着る物もなくな
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