れに会いに。何でも是非天狗に入れてくれというんでしょう。あ、そう首を曲げると髪がつれます。……いいえ、心配しなくとも、いいんですよ、仙さんはそれをことわりに、たしか、行ったのです。
お妙 仙太郎さんは、なぜ天狗と一緒に行かないのでしょう?
お蔦 なぜ? ……そりゃあ。……ああお妙さんの肌はいくら陽に焼けても白い。……天狗がどうの諸生がどうのってこと、うっちゃっとけばいい。あんな、士同士の内輪喧嘩、私達しもじもに何のかかわりがある訳じゃなし。
お妙 ……いいえ、それは違います。
お蔦 違う? ……ええ、それはどうでもいい。あたしのいいたいのは、嬢さん、あなたまさか仙太郎さんを死なせにやりたいと思ってはいないでしょうね? ……こんな、身上を持ちくずした芸者づれの私風情が、あなたにこんなこといえば変だけど。失礼だけど、あなたのことが実の妹のような気がするものだからね。……男に惚れたということは、男に惚れたということです。惚れたなんぞとゲスなこというようですが、女はこうと思った男を取逃がせば、その先はどうなるかわかりません。自分が初手にこうと思った正直な心持を大切にしなくてはなりません[#「自
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