というても剛情張ったから。水だ。
お蔦 あいよ(土間に降りて竈の側のカメから茶椀に水を汲んできてお妙に呑ませる)お妙さんどう、しっかりしなさいよ。
お妙 ……ありがとう。ああ。
段六 (お妙の襟をくつろげてやったりして介抱しながら)ジッとしていりゃ、じきよくなっだ。身体のキツクねえ仁が夏場無理ばすっと、よく起すだよ。源坊、脚絆ば脱がして、さすってあげろえ。(男の子はいわれた通りにする)ああ、やっと口のはた[#「はた」に傍点]に血の色が出て来たわ。やれやれ、大概《ていげい》びっくらさせましたぞ、嬢さん。
お妙 ……すみません、段さん。もういいの、源ちゃん。ありがとうよ。
投六 あがって一時《いっとき》寝るがええ。これに懲りるがええですぞ、少しは。全体が無法すぎるて。
お妙 ……へえ。ザッとでいいのすて、ありがとう。(これはタライに水をうつして来て足を洗ってくれているお蔦に)……いいえ、あの一枚だけは、あんたがあんなに苦労して手に入れた苗代だし、……第一、あれがうまく出来てくれないと、秋には、子供達がまた痩せてしまう。……だもんだで……。
段六 それがいけねえ。お前さま一人の手があってもな
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