れる男もあれば、くれない男もある
中には前の男のくれた金をソックリ奪って行く男もあった
すべては私にとってどうでもよかった
頭が完全にしびれたようになっている
山田先生の書斉で話を聞いているうちに
電気がショートでもしたように頭の中を紫色の光が走って
ヒューズが切れて飛んだ!
それ以来、頭の中が、こわれてしまって
なんにも考えられなかった。
おかしなことに、そうして二カ月ばかり
いろんな男たちを相手にしている間に
どの男にもまるで興味は持っていないくせに
ホンのすこしずつだけれど、私のからだが喜こびを知って来たことだ
女のからだというものの下劣さ!
いえ、人間の肉体というもののキタナサ!
しかし、それもどうでもよい事だ
だから、それから間もなく私が
ハダカレヴュの踊り子になったのも、すべてが偶然で
なろうと思ってなったのではない
ガードの下で会った男たちの一人に
アルコール中毒のレヴュの男ダンサアくずれが居て
私のからだをつくづくと見て、ダンサアになることをすすめて
いきなりレヴュ小屋のマネエジァの所へつれて行った。
舞踊の基礎と、発声法は
G劇団にいる頃に本式に習ってある
だけどレ
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