ちです
純粋な、正直な気持で国を愛し
国を愛することが世界を愛するユエンだと
それには「聖戦」を「完遂」することが
自分たちの任務だと信じこまされ、命がけで努めていた若い人たち。
静かに思い返して見ようではありませんか、
今そのことを話す時に人々は、
あの頃の若者たちが、軍閥からだまされていたと言う
しょうことなしにイヤイヤながら戦争に引っぱり出されていたのだと言う
「戦歿学生の手記」は立派な本です
読んで見て今更ながら戦争が
如何に貴とい美しい人たちを奪って行ったかと
胸がしめつけられる思いがします
ここに手記をのせられている人々はほとんど皆、
いやいやながらか、やむを得ずか、追いつめられてか
あきらめてか、疑いながらか、ヤケになってか
戦争に行った人です。
たしかに、そういう人も、たくさん居りました
しかし、そうでない人も、たくさん居たのです
国民が国家が民族が、そして世界が
それを望み必要とするならばと
思い決していさぎよく
笑いながら行った人も居たのです。
愚かの故だと、かしこい人は言うでしょう。
たしかに愚かの故ですから
罪有りと、罪なき人はとがめましょう
たしかに罪が有るの
前へ
次へ
全91ページ中22ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
三好 十郎 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング