サいで何はともあれ、あなたにもお目にかかりたいし、春さんにも逢いにこようと言うので、やっとこうして来たの。だけど、金吾さん、良い場所にキレイなお墓をたてて下すったわ。
金吾 いや、あれこれ考えやしたが、ちょうど焼け残りの石で昔黒田先生が別荘の暖炉を築くために選びなすった石がありやしたからね、海の口の石屋に頼んで刻んでもらって、俺がおぶって来やした。ハハ。
敏子 小父さんが、おぶって――?(涙声になっている)
敦子 ……だけど、誰だか知らないけど、別荘もキレイに焼いたものね? 誰が火をつけたのか、わからずじまいですって?
金吾 開墾の事やなんかで村の者たちから私あ憎まれていたしな。それに近ごろのこの辺にも妙な流れもんが入りこんで来て空家に入って火をもしたりしやすからね、村の者がしたとも限らねえ。今さら、そんなことをセンサクしてもしようがねえから捨てて置きやす。
敦子 そうよ、それでいいかもしれない。春さんのお父さんがお建てんなって、それから春さんが一生の間、やって来ちゃ、泣いたり笑ったり……金吾さん、あんたもここに来ちゃあ、いろんなことがあったわね? それがこうして焼けてしまって、残って
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