「るのは敷石と、春さんのお墓だけ、サッパリして、いいかも知れない。
金吾 そうでやすねえ。だが、この石にしたって、もう四五年もすると、ここら草が生えて、埋まって見えなくならあ、ハハ。
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(一郎が何かグズグズ言う声)
音楽3 はるかはるか遠くの方で若い男の声で、明るい嘆きのような単調なメロディだけを歌うのが流れて来る。……
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敦子 あれは何だろう?
金吾 開拓農場の方で何か呼ばわってるようだ。こんな負け戦さで、ああいうし[#「し」に傍点]たちも気の毒に、たまらねえ気がするらしいて。
敦子 でしょうね。
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そこへ林の奥からジョンのワン、ワンとほえる声が近づいて来て、その後から杉夫と金太郎が水オケをさげ、下ばえを踏んで近づいて来る。
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金太 こらジョン! ジョンよ!
敦子 さ、水が来た。金太ちゃんも杉夫も御苦労さま。
金太 一番キレイなとこ汲んで来たよ。
杉夫 いやあ、僕はこのへんは初めてなんですけどね、谷の深いのには驚ろいた。川まで二百メートル位くだるんだから。
敏子 でしょう? 私も初め
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