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少年 いや、おじさんから豆を貰ったんだからお礼の代りに、金は切符をもってきってやってからもらやいいよ。そいじゃ待ってな、ここ動いちゃ駄目だぜ。動くともう見つからなくなるからな。
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(言うなり、トットットットと駈け出して去る)
この時、同じ構内の別の行列のへんで、五六人の男女が口々に騒ぐ声。
かなり離れているので、はっきりとはしないが、「どうしたんだよ?」「こんな所でそんなことを言ってもしょうがねえじゃねえか!」「気が変になったんだい!」「怪我したな!」等々がやっと聞える。それらの声の中で、女の声が何か叫んでいるが、「お願いです、私は……」だけで、あとは言葉がはっきりしない。
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中年の男 (金吾の後に坐っていた)なんだ? どうしたんだい?(向うから歩いてきた人に問いかける)なんですかね、え?
若い男 (向うから歩いて来ながら)なあに、気の変になった女だ。
中年の男 まったく、こんなに家が焼けたり、人死が多いと、頭も変になるなあ。僕なんかもうどうにかなっちまいそうだ。ねえあんた。
金吾 そうでやすねえ。
若い男 なんでも、どっかで頭を
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