ノ相抱いて震えながら耳をすまして立っている二人。

それに向って吹きあげてくる谷川のひびきと、再び風の加減でガラガラと迫ってくるトラクターのひびき。
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[#3字下げ]第16[#「16」は縦中横]回[#「第16回」は中見出し]

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 敦子
 金吾
 お仙
 金太郎
 春子
 敏子
 杉夫
 木戸
 男の声

音楽
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敦子 (語り、中年過ぎの)はあ、その時のことは、春さんと金吾さんからずっと後になって聞いたんですの。私が県道の傍で金太郎ちゃんやお仙ちゃんなどと歌っている間に、その奥の崖の上で、金吾さんと春さんが、もうちょっとのところで、崖から飛び下りて死ぬところだったのです。つまり、年のいった金吾さんと春さんが、まあ、心中するところだったわけですねえ。
……まるで小さい子供のようになってしまった春さんの頭が、なんと思ったのでしょうか、急に若い時分から私がホントに好きだったのは、金吾さん、あなただった、と言ったそうです。そして、私という女は自分のホントに好きな人のところへは、生きてる間は行けない、だからここで一緒に死
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