ツ椅子から入り口に立っている金吾を見て、フイにそれと気がついて)ああ、金吾さん!
金吾 春子さま!
春子 金吾さん、あなたはどうしてこんな所へ――?
金吾 お手紙をもらいやして、そいであちこち探しまわって――
春子 そう、それは……(立上つてそちらへ行きそうにする)
源次 え、なんだって? なんだ?(と、金吾へ向って立上る)君あ、なんだ? 何しにやって来た?
金吾 へ、こんちは。俺はこの春子さまの知り合でがして――
古賀 春子さま? なんだ、笑わすなよ、へへへ。
助三 なんだい、この男? もしかするとなんじゃないかえ、事務長。いつか社長がこの婆さんに虫がついているとかちった、そいつじゃねえのか、この男は?
春子 いえ、そんな、これはあの、金吾さんといいまして、あの――
源次 (金吾に向って)金吾――そいで、何しに君あやって来たんだい?
金吾 いえ、別に……ただ、この春子さまの、わしあ親戚みたいなもんでやして――
源次 しかしねえ、このお春さんは、ここの社長から僕が預かっている人でね、誰が来ても渡しちゃならんと言われているんだから、僕には責任があるんでね。まあまあやって来たんだから、こう
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