セって、茶碗酒を飲むらしい音。
[#ここで字下げ終わり]

金吾 ええ、ごめんなすって。ちょっくらごめんなすって(板戸をノック。返事なし)ええと――(仕方なく、板戸をソッと引き開ける音。それに向って、内部からいきなり五六人の工夫達が酒に酔って騒いでる声がぶっつけるように)
源次 (事務長)ははははは、さあさあお春さん、一杯飲めよ。今日は山祭りの無礼講だ。こんで男っばかりだからな、ふだんはお春婆さんだが、今日はたった一人の女ご[#「女ご」に傍点]で、言ってみりゃ女王様だあななあ、古賀。
古賀 ははは、まったくだい。なあに、こいでもお春さんなんてえ女は、暫く前まで社長の第三号か、第五号の想い者だったんだ。鶯鳴かせた春もあるという婆さんだかんな、ははは。
助三 さあさ、お春婆さんよ。飲みな飲みな、え?(茶碗に酒をつぐ音)
春子 (しいられた酒でもうかなり酔っている)いえ、もう、私はいけませんからかんべんして下さいよ。
須川 なあに、いけないなんて嘘うつけ! さあ飲めよ。
嘉六 お春さんが飲み残したら、俺が加勢してやろうじゃねえか。なあよ!
金吾 ああ、春子さま!
春子 え? ……(土間の隅の
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