習ってな。
壮六 黒田先生の黒田節か、そうか。
辰造 黒田先生の黒田――ふうん、ええと、ほい、しまった。たしか黒田つう人からここの柳沢君に手紙が来てたぞ。それを届けに来ていながら、何つうこったよ。たは!(郵便袋をガチャガチャと開けて封書をとり出す)ほい! 柳沢金吾君、郵便だ。
喜助 ちゃーっ、職務職務、執行中だい。うまく思い出しやがった。
金吾 どうもそりゃ――(封書をうけ取って裏を返してみる)ああ!
お豊 金吾さん、春子さんから手紙な? どうしていやすかね、元気かね?
金吾 うん、俺あちょっくら……
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歩み出している。刈田を踏んで畔にのぼり、自宅の庭場を横切って、新築した家の裏にまわる。その足音。
[#ここで字下げ終わり]
壮六 (マイクは金吾について行くので、壮六の声はオフになって)金吾う! 何処さ行くだい?
金吾 ……(ビリビリと封書の封を破いてレター・ペーパーを引き出し、パリパリと開いて読む。その間も向うの刈田での、人々のざわめきと、時々叩かれる小太鼓の音)……(向うで、喜助が何か言った声がして、「あはは、あはは」と一同が笑いさざめく声……)
壮六
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