キさんが居たって配慮するこたあねえ。さあ、飲め飲め。お豊、酌しろ。

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生徒たちが笑いさざめく声。
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壮六 (金吾に)金吾、お前も何とか一言挨拶しろい。
金吾 そうか……(立ち上って、何か言おうとするが、うまく言葉が出て来ない) ええと、どうも皆さんありがとうございやす。ええと……(金吾の言葉をきこうと一同がシーンとする)あのう、俺あ口不調法で、そんじゃ、お礼のしるしに、下手クソだけんど歌を一つうたいやすから、かんべんなして……

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一同が拍手。小太鼓がすり打ち。それがピタリとやんで、いきなり胴間声を張り上げる。下手な黒田節。下手ながら、喜びに溢れた器量一杯の節廻しで。

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「春の弥生の朝ぼらけ、よもの山々見渡せば、花ざかりかも白雲の、かからぬ峰こそなかりけれ、かからぬ峰こそなかりけれ……」

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ワァーッと一同喊声、太鼓のすり打ち。
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喜助 ひゃーっ、へんな歌知ってやがるな、なんてえ歌だ?
金吾 俺あ下手だあ。黒田節と言ってな、別荘の黒田先生から俺
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