ヨ屋さんが、郵便を配達してるつうこったい。
喜助 そんじゃ辰造、おめえ海の口のすぎやで、鞄下げたままちょくちょくかぶってるなあ、ありあなんだい?
辰造 ありゃ、チュウと言うてな、酒のうちにや入らねえよ。
喜助 チュウかよ、そんだら、こいつはトウだ。
辰造 トウ? トウたあ何だや?
喜助 トウたあ、般若湯のトウだ、お薬だい、ははは、さあ飲め。
辰造 お薬か。そんじゃ頂かざあなるめえ、オットット――(ついでもらって、ゴクゴクと一気に飲む)ふう――うめえトウだ。
金吾 ははは!(他の一同も笑う)

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その笑い声の内に、林の方から、こちらに向って近づいてくるラッパ鼓隊の七、八人の足音。ラッパ鼓隊とは言いながら、ラッパはなく先頭の三人が肩から吊した小太鼓を二本のバチでバババン、バババンと叩きならして、それに歩調を合して進んでくる。
[#ここで字下げ終わり]

壮六 ――やあ、農民道場の衆たちがやって来た!(言ってるうちに生徒たちの足音が間近になる)
塾長 全たーい、止れっ!(足音がピタリと止り、太鼓の音やむ)ええ私どもはそこの農民道場の者たちですが、本日は、柳沢家の御新築が
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