閧フ、南洋の土人踊りだい。よく見てろ!
お豊 あらお前さん、着物みんなぬいで、どうしようというの?
喜助 土人だから素ッ裸だあな。体のいいとこを見せてやら。いいか、みんなで手を叩け。(いきなり刈田の上を素裸で踊り出したらしい。手拍子で胴間声でうたいながら)色は黒うても、南洋じゃ美人――
壮六・金吾 あはは、あはは。(歌の拍子に手を叩いて、はやす)
お豊 あらまあ! はっは!
金太 ブ、ブ、ブ、バア――

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この時、離れた林の小道をこの場へ出抜けた所から「うまい、うまい、うまい!」という男の声が聞えて来て、パチパチパチパチと拍手。
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お豊 (そちらを見て)ああ郵便屋の辰造さんがやって来たよ。
壮六 よう辰公、よくやって来ただなあ。
辰造 (菅笠をかぶって、わらじをはいて、大きな郵便物の袋を肩に下げた、中年過ぎの郵便屋。手を叩きながら近づいて来て)こんにちは。どうしただよ、まあ! ああ、喜助頭梁? 俺あ、何かヘンな歌が聞えると思って、林を抜けてそこまで来ると、素ッ裸で踊ってる奴がいるだねえか。てっきりこいつあ、アミダが岳から飛び出してきた天狗
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