スばっかりの角《かど》の田圃のド真ン中に莚を敷いてね。そこにみんなすわりこんで御馳走を食ったり、酒をくみかわして、きれいに出来上った家を眺めようつうだ。よく晴れ上った秋の日の昼さがりで、こういう時の酒はうめえもんでね、すぐに酔いが発しやすよ、はは。
壮六 (その話の中の、つまり四十四、五の壮六になって、酔って明るく笑う)はっははは、はっははは。何しろ、いい気持だ。おい頭梁、喜助頭梁、お祝に一つ手をしめべえ。お前ひとつ音頭をとってくれ。
喜助 (これも酔っている)ようし! そんじゃ、やるかな。ホントから言やあ、金太が音頭をとるんだがな、なあ金太。
金太 (幼児)ウマ、ウマ。ブウブウ。ウマ、ウマ。(お豊、金吾、壮六、この三人が声を合せて笑う。はっははっは!」[#「はっははっは!」」はママ]
金吾 金太も飲むか?
お豊 金吾さん、この子に酒なんず飲ましたら大変だわ。
金吾 なあに、今日だけはええずら、いくらちっちゃくとも親父の息子だ、なあ喜助。
喜助 おうとも、今日はこやつが正客だい、飲め飲め――
お豊 だってお前さん――
金太 プウ、ウマウマ、ウマウマ。
金吾 そうら、当人が飲むんだと言っ
前へ 次へ
全309ページ中170ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
三好 十郎 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング