A海尻の喜助とお豊さんのことは御存じでやすね。喜助はその後、大工の頭梁で堅気で稼いできた、面白い気性の男でやして、あそこのお豊さんが、もと若い頃、金吾の嫁になりたがっていたことがあってね、それがつい、金吾が春子さんのことがあって嫁をとる気がねえもんだから、まあ諦めて喜助ん家へかたづいたんだが、その後あの夫婦と金吾も、わしも仲よくやって来やした。そんな関係で、金吾がまあ自分はこうやってせっせと百姓やって、田地も五六町出来た、しかし女房をもたねえから後をゆずる子供がねえ、その後とりに、お豊さんの生んだ息子を養子に呉れと言いだしてね、お豊さんと喜助も喜んでね、それで男の子の一人を養子にやるという話になって、それが今の、あの金太郎君でやすよ。すると喜助がね、俺の息子が金吾の家の後とりになるだから、その引出物に金吾の家があんまりひでえから、ちゃんとした家に建て直してやるべえと言い出しましてね。どんどん事を運んで立派な家を建てちまった。その家が建て上って、炉《ろ》びらきの日に、俺と喜助夫婦とそれから金太郎と金吾、そこへ喜助ん家の子たちが他に二人ばかりよばれて行ってね、ちょうど天気もいいし、刈り上げ
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