スたいて、みでふるいわけてから、ついて殻をとってね、それを水車へ出して粉について貰いやあ、ソバ粉になりやす。シンソバというのはうまいもんでね、こんだ早速俺が打ってあげべえ。
春子 お百姓の仕事というものは、いいわねえ。
金吾 なあに、いいも悪いも毎年同じことであたり前すぎるようなこってやすから、馬鹿にでも出来やすんで。
春子 いえ、ウソがないから。私しみじみそう思うの、ホントに私、ボチボチでいいから金吾さんにお百姓の仕事習っていきたいわ。そうすればキットお父様も何処かで喜んで下さる。
金吾 はは。そりゃ、黒田先生は喜ばれやすよ。
春子 私、なんだかとてもいい気持。敏子もああして、あなたにすっかり馴染んでくれたし――ああそうそう、もうそろそろお昼だわ。御飯がかけっぱなし。(ソバ畑をソソクサと別荘の方へ歩きながら)金吾さん、じゃすぐお昼御飯にしますからね、お仕事はそれ位にして、手を洗ってちょうだい!
金吾 はい、はい。
春子 (別荘の表ドアを開けながら)敏ちゃんや、もうすぐお昼御飯だから遠くへ行くんじゃないのよ。
敏子 (こちらで)はあい!
金吾 敏子さま、えらいきれいな花があっただなあ。
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