謔、と思ってかるく笑って)山奥で仙人が笛太鼓鳴らしてとおっしゃると、あれで敏子さまもあんたさまのお子さんでやすかねえ、今日の昼間、このうらの山へ蝶々つかまえに俺が連れて行ってやしたら、似たようなことを言ってやしたよ、はは。
春子 そうお……(ふり返って、奥の寝所で寝ている少女の方を見て)ああ、あんなによく眠っているわ、ここへきてから、あの子はホントに元気になった。いえ、この四、五年、父親から抱いて貰ったりしたこともない子でしてね、金吾さんが父親のような気がするんじゃないかしら、どんなこと言ってって?
金吾 今聞えてるはやしがやっぱし聞えてきたんでやす。すると敏子さまが、あれは誰が鳴らしてると聞くでね、俺が下の村の若いしたちがならしてる、というと、違う、あれは山奥で小人がならしてるんだ、と言いやしてね、そいで、あのはやしに合せて敏子さま、グルグル踊るようなことなさりながら、おじちゃん歌えと言ってね、なんと言ってもきかねえから、俺あ盆踊りの歌あうたったはは、
春子 そう、木ぶつ金ぶつと言う、あれね……(低い泣声を出して、しみじみと泣いている)……
金吾 春子さま、困りやすよ、そんな泣いてば
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