チても、あんまり虫が良すぎるという気がして、正直、憎らしかったわな。やっぱし、私あ、これまで焼餅やいていたんだね、だけんど、ああして乞食みてえになって、弱り込んで、泣いてお礼を言っている人を見ると、まるでへえ、あどけないと言うかなあ、なんか、子供みてえに良い人だもん、憎らしがってなぞおれはせん。みんな、春子さんのせいじゃ無え。運が悪い。そのせいだって気がしてなあ。……(鼻をクスンと鳴らして)わしまで泣いちゃった、うん。
金吾 すまねえ、お豊さん! どうも、こんなにお前に心配かけて、俺あ何と言っていいだか――この通りだ。
お豊 あれ、なあによ、ふふ、そういうつもりだあ無えよ。とんかく、オチクボに連れてって、よくめんどう見てやってくんなんし。
金吾 別荘の方へ連れて行くべえ。こうして、そこの芳平さんとこでゴム輪のリヤカア貸してくれたしな。フトンは、こっちのお借りして行くか。喜助さんにゃ、よろしく言ってな。
お豊 近えうちに、こっちからも行きやす。途中気をつけてな。子供さんは、どうしやす?
金吾 俺がおぶって行っちまうべ。じゃ、ま、いろいろと――
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