Aって来ましたっけよ。ハハ、私の亭主と言うものは、そったら人でね。でも心配なので次ぎの朝、金吾さんの家へ行って見ると、その敦子さまが見えていて、そのお金と金吾さんの金を合せて、さっそく先方の横田とかいう人にかけ合って買い取って春子さんに戻してやったのですと。
例の通りの金吾さんですわ。もっとも、あれから、たしか五六年、もっとになるかなあ、その間フッツリ春子さまは別荘にはおいでにならんかった。後から聞くと、春子さんの御主人の敏行さんと言うのが、なんたら株式会社のことで間違ったことをしていたのがバレちまって牢屋に入れられなしたそうで、それに就いては何でも悪い奴等が取りついて、いいようにしていたと言いますわ。そんなことで春子さんは、あちこちとサンザン苦労をなさって、そりゃひでえ目に会ったそうでやす。
しかしそんなことは後になって知ったことで、その当時は私なんず、そうやって一人で春子さんの別荘や山を守っている金吾さんがいじらしくて、春子さんが憎らしいだけでね。私は喜助の所に片附いて以来、もうその頃子供が三、四人いやしてね、喜助はあれ以来バクチの方はフッツリ断って大工の仕事に身を入れて稼いじゃく
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