q(幼い少女)
喜一(少年)
お仙(少女)
幼児(ウマウマと言うだけ)
喜助
村人一(男)
村人二(女)
金吾
村人三(男、市造、青年)
村人四(男、中年)
[#ここで字下げ終わり]

お豊 (語り。中年過ぎてからの)
はあ、私がお豊でやす。そうでやすねえ、あれは大正年間でやしたから、もうだいぶ昔のことで、細かいことはみんな忘れてしまいやしたけんど、黒田の春子さまが、その次ぎに落窪に見えた時のことはハッキリおぼえていやすよ。へえ、忘れようと思っても忘れられるものじゃ無えです。実あ私はそん時まで春子さんと言う方とまだ一度も会ったことはなかった。ただ話に聞いて憎らしがっていただけでやして。それが、そん時、はじめて、思いもかけねえヒョンな事で出くわしたんでやすから。……そうだ、初めから話さねえと、わからねえ。
そんでね、そういったわけで黒田さんの別荘やなぞが売りこかされようとしている所へ東京から敦子さまがお金を持ってかけつけて下さってね――いえ、内の喜助も金吾さんのために金を拵えてやるんだと言って変な場所へ飛び出して行ったんですけどね、アベコベにきれいに巻きあげられてしまって、丸裸かになって
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