辜Kタピシ仕度をする横田)
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林 さあ金吾君。……失礼しやした。
金吾 へえ。……(二人が立上ってションボリ座敷を出て廊下を歩む)

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ザアと川の流れの音。道端の水車の音が、ギイ、ゴトン、ドサン、ザアと響いて、林と金吾が歩いて行く足音。
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林 ……仕方が無え、あきらめるんだなあ。
金吾 へえ。
男一 (手車を引いてギイ、ガラガラとやって来たのが)ああ林さん、あんたが、海尻に現われるのは珍らしいなあ。どちらへ?
林 やあこりゃ。ちょっと、そこの立花旅館だ。どうかな。この秋は?
男一 はい、先づ先づと言うとこで。ごめんなして。(ガラガラと遠ざかる)
林 ごめんなして。……(あとは二人が又黙々と歩いて行く)
金吾 ……林さん、俺あ辛いんでがす。あの別荘と山林と畑は何とか俺の手で守らねえと、黒田先生に対して申しわけがねえんでやす。身を切られるように、つらい。
林 そりゃ、よくわかるが……問題が金の事でなあ。それもいっとき余裕があれば、私の手でも何とかしてあげたいが、なにしろああ急いでいては仕ようが無い。どうもへえ……諦め
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