髑シに無えなあ。……じゃ私あ、ちょくら寄って行く所があるから、ここで。
金吾 そうでやすか。どうも、とんだお手数をかけやして、いずれ又――
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角を曲って遠ざかる林の足音。
ションボリ歩く金吾の足音。ギイギイ、コトンと水車が近づき、それが遠ざかる。……川波の音。それが、フッと消える。
[#ここで字下げ終わり]
喜助 (離れた所から寄って来ながら)よう、金吾、どうした?
金吾 おお喜助さん。
喜助 どうも、その顔色じゃ、話あうまく行かなかったな?(家の方を振り返って)おーい、お豊よ! 金吾が戻って来たぞう!
お豊 (クスンクスン言う赤子を抱きながら出て来る)あい。金吾さん、そいで話はどうだったかいな?
金吾 駄目でやした。直ぐにも六千積まねば、明日にも轟さんの方へ登記をすましちまう様子だ。
お豊 弱ったな。……まあま、おかけなして。
喜助 そうか。畜生め、金が仇たあ、この事だなあ、うむ。どうだ金吾、お前も男だ。その黒田さんの別荘も山林も、ここんとこで一度サッパリ諦めるわけには行かねえのか? そのうちに金え溜めて轟から買い戻せばええのだ。え、諦らめろ!
金吾 そう
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