フこもっている土地で、たしかカラマツの苗畑もあったし、売り払ったりしては、いけないのじゃないの?
春子 ええ、だからなんとかしてあすこだけは父のために残して置きたいと、ホントに私、泣いて敏行に頼んだんですけど、どうしても、ほかに手段が無いと言うの。だから仕方なく――
敦子 それにあそこは柳沢の金吾さんに保管を頼んであるんでしょ? 金吾さんだから、それこそ大事にかけて守ってきたにちがいない――すると今ごろは金吾さんはその事で困っているんじゃないかしら? そう、キットそうだ! 可哀そうに金吾さん! まあ、あなたと言う人は、ホントになんと言う! それで、その土地を売って、どれ位の金をこしらえようと言うの? もっと早くその事を、どうして言ってくれなかったのよ! 全体、金高はどれくらいなの?

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音楽(唐突な、激しい、短ブリッジ)
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横田 (ねばりのある、しかし決定的な調子で)金高がいくらなのかと今更言われても、どうもしようが無いんだ。私もこうして黒田さんから一切をまかされて信州くんだりまでやって来て、こうして宿屋に泊りこんでまで事を片附けにかかっ
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