るそうだけど。
金吾 そうでやすか。……敦子さまは、すると相変らずおたっしゃで?
春子 えゝ、結婚なさって、横浜にお住いなの。そりゃお仕合せでね。しかしまだお子さんが無くて敏子を可愛がって下さるの。一週間に一度ぐらい来て下すって――昔からのお姉さまで、いい方だわ。いまだに私はなんのかのと心配ばかりかけて――私って、ホントにしょうが無いのねえ。(何を思い出したか、ホロリと涙声になっている)
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山鳩の声が二つ三つ。
その声の中から出しぬけに男の声。
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敏行 おーい! 春子う! おーい!(呼びつゝ山の傾斜を駆けおりて来る。急速に近づく足音と声)ちっ、こんな所にいたのか、何をしているんだあ?
やあ金吾君、相変らず元気だね?
金吾 ああ、これは敏行さま、しばらくでがして――
春子 あなた、いつ、こっちへ、いらしたの?
敏行 やあ、はは! いつと言って、今さ、鶴やに聞いたら、この方角だと言うからね。
金吾 知らして下さりゃ、駅までお迎えにあがるんでしたのに。
敏行 いや、急にやって来たもんだからね。でも駅にちょうど人力があってね。二人引きを頼ん
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