て!
韮山 こ、こ、これ、乱暴な!
本田 はばかりに行くからって言うから、まさかと信用して此方は待っていりゃ……あんまり遅いから出て来て見ると、このザマだ! 話を中途にして逃げると言う手があるかっ!
韮山 そんな、そんな乱暴せんかて! なに、さらす!(二人、組打ちとなる)
三好 ……(登美と共に、アッケに取られて見ていたが、やっとの事で)どうしたんです? 全体、どうしました?
本田 どうしたも、こうしたも、この野郎! 人をナメやがって!
韮山 しゃあから、しゃあから、返さんとは誰も言うとらん! ただ、もう少し待ってくれと、これ程言うても、あんまり話がわからんよってに――。
本田 逃げるのか! よし、逃げて見ろ、野郎!(尚も二人取組合い)
三好 まあ、まあ……(思わず、縁側から飛び降りて来て二人を引分けにかかる。登美も縁側に出て来て見ている)
韮山 痛えっ! わても淀橋の韮山だ。逃げたりかくれたりはせんぞ!
本田 逃げたりかくれたりはせんと言う奴が、こうして、もう、とうに期限は切れているのに、しかも、私の方から何度も足を運んで行っている事を承知していながら、なんで逃げまわるんだ、此の狸め
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