現状だ。ふざけるなと言うんだ。そんなものは屁理窟だ。戦争をするのに絵や小説や芝居は要らんのだ。そんなものが無くっても戦争はやれるんだ。それをだな、インチキな文化主義者達共の歯の浮くようなゴタクに踊らされたり、今迄うぬらが当てがわれていたケチックサイ屋台骨に恋々としてしがみ附いていようと言う量見を捨て切れないために、科学の独立がどうのこうの、文壇や劇壇なんて吹けば飛ぶようなものが、うんだのつぶれたのとゴタゴタやった末が、見ろ! 却って、その辺に氾濫している小説や芝居が、どれもこれも時局便乗の、きわ物になってしまうんだ。あたりまえだ。士が切腹しなきゃならん時に立ち至って、死にともながれば、卑怯者になるのは当然だ。芸術が死ななきゃならん時に、死ねなければ、オベッカ芸当になるのは、わかりきってるよ! そうじゃないか?
佐田 ……わからんなあ。すると、あなたのしている事は、なんですか?
三好 僕がしている事?
佐田 そんな風に、文化は亡びなければならんと思っていながら、あなたは、そいでも戯曲を書いている。
三好 ……(虚を突かれて、ギョッとし、口をモガモガさせていたが、やがてガックリと肩を落して
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