、……身体の方も、もう永い事は無いと医者も言いますしね。せめて食って行くだけの金でも有ればだけれど、……簡易旅館なんかでゴロゴロしていたって仕様が無いし、でも、書いた物が多少でも望みがあれば、まだ、なんですけれど、そうでなければ此の際――。
三好 ――死ぬのか?
佐田 ええ。(淡々と答える)
三好 それを僕に言わせようと言うのかね? 僕に、それが言えると思うかね?
佐田 言って下さい。
三好 ……仮りにだ、僕がそれを言ったとしてもだよ、僕などの言う批評に、そんなに絶対的な権威は無いよ。
佐田 有ります。少なくとも僕には、さうです。
三好 なぜだい?
佐田 僕が先輩の劇作家としてホントに尊敬しているのは、あなた一人きりだからです。……あなたから、君はもう望みが無いから、書くのはよした方がいいだろうと言われれば、……諦らめます。二十七年間、何かまちがって生きていたんだと思えば、それでいいんです。
三好 ……親兄弟は無いと言っていたが、誰か、伯父さんとか従兄弟だとか、親戚は無いのかね?
佐田 北海道に従姉が一人居る筈ですけど、生きているかどうか、……生きているとしても、酌婦かなんかやって暮し
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