方の御相談も――。
轟 どうか、よろしくお願いします。そんな事になれば、僕も実にありがたいし、どうか一つ――。
浦上 あなた、小田切さんに一度会ったらどうです?
轟 小田切喬さん?
浦上 やっぱし、そんな事になればデビュは、大きい所からした方が将来のために良いし、小田切さんの口添えと言う事になれば、文壇方面で、その先刻言った先入観と言ったような事も、結局うまく行くと思うんですよ。なんなら、私の方から紹介してあげてもよござんす。
轟 そうですか、では、どうか一つ御紹介を願います。実はそれは以前から考えていたんですけど、そんな事を言い出すと、いやな顔をされるもんですから――。
浦上 いやな顔を? 三好さんがですか? そいつは、しかし、よく無いと思うなあ。後輩の進んで行く路を、そんな事でふさぐと言う手は無いですよ。
轟 いえ、そんなわけでも無いんですけど。……僕のために考えてくれているにゃ居るんです。ハハ、先刻も、そ言った事で叱られていたとこでした。あの人の言う事に間違いは無いんだ。でも、なんしろ、善良過ぎる人で……しかもドグマチストと言うんですか、こだわる必要の無い所でも、自分がこう思った
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