知の相談を持ち出して――。
浦上 ですから、一応、これは、あきらめようと――。
三好 ……浦上さん、お願いだから、ホントの事を聞かせてくれませんか。おなじみ甲斐に、歯にきぬを着せない所を。遠慮なく、ひとつ――。どっか、内容的にまずいとか。
浦上 とんでも無い。内容は、うちの皆も全然気に入っているんです。そんなあなた……。
三好 だって初めから、長さはこれ位でよいか、よろしいと言う事でお引受けした物を、今更になってこんな事になれば、そうとしか考えられない。言って下さい。かまわないんです。でないと僕の勉強のためにもならん。第一、のみこめないんだ。
浦上 いえ、ホントに――。ですから、予定がスッカリ変わっちゃって……その点は、私共の不明の致す所で――。
三好 言って下さると、ありがたいんだがなあ。すると、その理由の是非はともかくとして、とにかく納得が行くんだけど。
浦上 ホントに、絶対にホントに、それ以外に理由は無いんですよ。ですから、この際は一応あきらめるとして、その内に又二本立てで公演すると言った折が有れば、その際もう一度改ためて考えて見ようと言っている者も有る位で……。
三好 そうです
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