もちょっと判断できないのです。買う人間にとっても、売る人間にとってもです。そのようなものを、自分の品物には悪いバクテリヤもついていず腐敗もしていないという自信を持ち得るような手順を踏み、つまり買う人に対する責任をしっかりと持ちながら、零細な利益でもってアイスキャンデイを売るというのが良いアイスキャンデイ屋になることなのですが、これが実は想像に絶するような困難な仕事であるということが、あなたにわかっていただけるでしょうか。そして批評は、どう安く見つもってみても、アイスキャンデイを扱うよりもめんどうな仕事です。しかも同時に、アイスキャンデイを仕入れるには多少の資本を要し、売るには多少の労力を要しますが、批評をするには一束の原稿紙と十滴ばかりのインクさえ有れば、あとは何にもいらない――つまりアイスキャンデイ屋よりもズット手易いという関係になっている点に注目してください。
 という事は、つまり、批評および批評家が、くだらなく低級になるにも、立派に上等になるにも、そのどちらにつけても、トメドがないということです。そして今の日本の批評および批評家たちは、トメドがなく立派に上等になっている状態である
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