言っても同じことだ。かくて、ありがたい事に、私の分裂症状はなおった。
以上、宮本についての走り書きを、一応終る。言いたりない個所があることは自分でも気が附いているから、機会があれば、同じ課題でもう一度でも二度でも、ものを言ってみてもよい。
実はこの回では宮本百合子と中野重治と徳永直のことを語ろうと予定して書きはじめたのであるが、宮本だけのことで既に紙数を超過してしまった。中野と徳永について各十行ぐらいずつで何か言えないこともないけれど、それは両氏に失敬のような気がするから、今度はやめる。
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落伍者の弁
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第一回のはじめに書いたように、私は演劇ことに新劇について発言することに、興味を失ってしまっている。今の日本の演劇=新劇界には、文化的に重要な第一線的な問題は、なに一つ無いように思われるから。それに、それは「見もの」としても、既に古くさく、おもしろくなくなってしまっているから。つまり私にとって、それは現代人としての中心的なものへの刺戟をすこしも与えないだけでなく、教養や娯楽の道具としてもタイクツになってしまったからである。議論だけならばい
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