というものは売薬の「特効薬」を盛んに買いこむ傾向を持っているものであり、だから宮本の作品が盛んに迎えられるのも、それに類する現象ではなかろうかという考えである。そうだとハッキリ言い切るだけの根拠は、前にも言ったように、まだ無い。今のところ、そんなふうに考えれば、いくらかフに落ちてくるし、そして、そう考えてよければ、私も自分の感受力がヘンになったかもしれないとか自分が根性曲りになったのかもしれないとか考えないですむから、気がラクになるわけである。ホントは、むしろ、この点に就ては、私などよりも進んだイデオロギイと文学芸術上の教養を持った人々の意見を聞き、教えていただきたいと思っている。「宮本の作品を、あなたはホントに良いと思いますか? もしそうなら、どこがどんなふうに良いのですか? ハッキリ言って下さい。そして、公に聞かれるためにウソをつくというやりかたで無く、正直な所を答えてください」と言って。
 そして、これまで書きつけた事によって大体わかっていただけただろうように、さしあたり、私においては、宮本百合子およびその作品を好まないと同じ程度に尊敬しない。逆に、好むと同じ程度に尊敬していると
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