か。(これはまた、どういうかげんか、自分のことのように満面に喜色を浮べて、三芳に向ってウイスキイをついでやる。隅の方のツヤ子だけが、相変らず編物をつかんだまま、無表情に時々こちらを見ている)
三芳 (久子に)津村君はもう出かけたのかね?
久子 ええさっき。あなたもすぐ後から行くからって言っといたわ。
三芳 (記者に)どうも忙しくって、ハハ。
記者 津村さんというと、津村禎介氏――?
三芳 知ってるんですか?
記者 どうも、さっきそこの角で逢ったのが、そうじゃないかと思ったんです。いや、個人的に知っちゃいないんですが、――チョイチョイ見えるんですか?
久子 はあ、いえ、あの、ほとんど自分のおうちのように――(ほとんど性的昂奮に近い発揚のしかた)
三芳 津村も、まだ出て来てから間がないしねえ、あんまり無理をして、からだでもこわしちゃ、事が大きいと思ってねえ、まあ――
記者 そりゃ、まったくです。特に文化方面に関しては、大事な人ですからねえ。……そうですか。
三芳 ハハ。……じゃ、しかたがない、しゃべりますよ。(ウイスキイをグッとほして)……ええと、ええ――この、戦争責任という問題については
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