ました? 今になって、そ、そんなことを言われるのは、実に、実に心外だ。だって、私は君をはじめ君たち一同を、あらゆる機会にかばって、できるかぎりのことをしてきたんだ。正直言うと、私はあんたがたをあまりにかばい過ぎて、自分の立場をあぶなくしたことも二三度ある。内務省へんでは、大野はありゃアカじゃないかと言われて――
三芳 そりゃ、あんたのお世話になったこともありますよ。忘れはしません。感謝してるんだ、その点は、フフ、感謝してますよ。だってそうしなきゃ、しばってしまうというんだからなあ。殺してしまうというんだからなあ――。いやいや、口に出しちゃ、君たちはそんなことは一言も言ゃあしない。しかしあの時代の空気の中にチャンとそれだけのものはあった。それを君たちは百も承知していた。そいつを利用した。自分たちがエテカッテなことをしたり、利益をつかんだり、それから僕らをつかまえてアゴで使うことに利用したんだ。しかも口の先きでは、君たちのためを思うからといったような紳士的なことを言ってね。つまり、腹芸さ。そこいらのかげんは、実に、何ともかんとも、うまかったねえ。
大野 そ、そ、三芳君、そんな君!(バラバラ
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